【トップ対談】Wano創業メンバー(ビジネスサイド)

ALPHA ARCHITECT and pictures EDOCODE STYLICTION TuneCore Japan Wano

2017.4.4

エンタメとITを軸とした事業展開で2017年に創業10期目を迎えるWano株式会社。ビジネスサイドを牽引してきた野田氏、谷本氏、田村氏に、恵比寿の居酒屋でWanoの過去、現在、未来についてざっくばらんに語り合っていただきました!

 

(以下、敬称略)

谷本 ・・・今日オフィスでトイレ行ったら、爆弾みたいの置いてあって、びびったよね。

野田 そうそう俺も今日気づいてさ、じーっと見入っちゃったよ。

谷本 使ったらあかんのかな、と思って別のトイレに入ったらまたあって。爆弾か盗撮かと思った笑

田村 Slackで流れてましたよ!男性トイレが空いてるよっていうフラグを立てる人感センサーなんです。

野田 もう機能してるってこと?

田村 してますよ。空き情報のデータがとばされてます。メンバーがエンジニア合宿で作ったんです。

谷本 誰が入ったかまで判別できないの?

田村 それはもちろんできません笑

野田 たんぽぽの“わた”みたいのが見えて、録音してるのかと思ったよ笑

田村 ・・・どうでもいいところから対談が始まってますね笑

谷本 技術会社っぽくていいんじゃないの笑

Wano株式会社 代表取締役 野田 威一郎

香港で中学・高校時代を謳歌し、1997年に香港返還とともに、日本に返還される。クラブでイベント企画、デザイナーをしながら、慶應義塾大学を卒業。2004年に株式会社アドウェイズに入社、メディアディビジョンマネージャーとして上場を経験。2008年に独立しエンタメ×ITの「Wano株式会社」を設立。2012年には TuneCore Japan K.Kを立上げ、代表を兼任。世界の中心で日本の文化を叫びたい願望だけは人一倍ある。

Wano株式会社 取締役 谷本 啓

早稲田大学理工学部卒業。デジタルガレージ社にて広告・事業開発を経て、Wanoの設立に参画。現在はWano、アルファアーキテクト社、STYLICTION社の取締役を兼務。Nintendoをこよなく愛し、マリオカートで日々世界と戦っているが、現在は休暇をとりハイラル地方に旅に出ている。

Wano株式会社 取締役 田村 鷹正

大学卒業後、アドウェイズに入社し、1年3カ月でマネージャー職に昇格。2009年に退職後、Wanoの取締役に就任。全体の守りと風紀委員的な役割を担う。2016年、WanoからスピンオフしたEDOCODEの代表取締役に就任。デジタル製品がとにかく好きで、現在は超小型サイズのマウスを愛用中。趣味のキックボクシングでは長い脚で繰り出すハイキックを得意とする。

エンタメ産業を、ITのイノベーションで変えたかった

 

− どのように会社を立ち上げたのですか?

野田 学生時代からプチ起業をしていて、30歳くらいまでに起業したいと思っていた。だから就活ではできるだけ成長しそうな市場で、できる限り小さくて、仕事をまかせてくれそうな会社を探していた。

それで出会ったのが、アドウェイズ。成果報酬型の広告のITベンチャーだった。アドウェイズで上場前後の2年ずつをディビジョンマネージャーとして経験させてもらえて、もの凄く勉強させてもらった。そこそこ偉くはなっていたし、不満は特になかった。けど、もともと30歳くらいまでに起業したいと思っていたのと、エンターテイメント×ITのサービスをやりたかったので、イケてるメンツを集めようと思って声をかけていった。

谷本 当時のアドウェイズって30人くらいで、みんな自分でやる、会社やる、みたいな雰囲気があって。その中でもほんとに起業しそうな匂いがした、威一郎とは波長が合ってね。

野田 そう、俺も声をかけたのは同じ理由だよ。

谷本 最初から言っていたよね。

野田 「同じ匂いがする」、って言っていたね。

谷本 そう、それで鷹(田村氏)にも声をかけたんだよね。

 

− Wanoって何人の役員で経営しているのですか?

田村 6人です。それで株が、全員同じ比率で6当分で。

谷本 書かなくてもいいかもだけど、登記簿みれば書いてあるからね笑

野田 6当分で公平っていうのは、いいよね。

谷本 うん、変なことにはならない。

 

− 設立当初、どのような感じでしたか?

野田 当時、IT業界、IT業界って風潮はあったんだけど、今みたいにIT×○○○のようなものはまだあまり無くって。その中でも、音楽とかエンタメでのITって、パッとしないと思っていた。メジャーな人たちがITを使い始めたとしても、古い考えのままやっている感じで。

田村 業界の構造がねじ曲がっているようなところが多いから、ITで変えたかったんですよ。

野田 そう、産業を変えたいって想いがあった。イノベーションを起こしていくのが、ITの中でもイケてる側でしょって思っていたからね。

谷本 それは今も変わってないね。

野田 ただ、設立当初、想いはあったけど、具体的な事業案は無かった笑

田村 そこは全然ベンチャーっぽくない笑 普通のベンチャーは、プロダクトとか事業ありきでやっているから、お金がなくて、出資されて。でも僕たちの場合は、エイヤーっていう勢いだけじゃない。自己資本だし、やりたいこと考えながら、まずは自分達ができるビジネスをやっていた。だから最初から堅実に利益を出していましたよね。

野田 自分の給料は自分で稼ごうって空気だったね。役員はみんな業務委託の仕事を持ってきていた。むしろ俺だけ最初にそういうのが無かったから、焦って後から仕事を取ってきた笑

谷本 今まで一度も赤字がないよね。最初からずっと黒字継続。むしろ利益率なんて、最初が一番高かったかも知れないね笑 当時は、皆得意だった広告コンサル事業がメインで、できたてのベンチャーながら、大手精密化学メーカーとか、大手ゲームメーカーとか、誰もが知っている大企業と取引していた。役員以外には社員が3人ほどいたけど、十分過ぎるくらいに仕事をもらってたね。

田村 最初の1年は、麻雀とかプレステのウィニングイレブンとか、自分達のエンタメ活動もけっこうやっていましたね笑

谷本 取引先の人たちに怒られそうだけど笑 でも取引先の人もみんなウチに集まってきて遊んでたからね笑 やっぱり仕事もそれ以外も一緒に楽しめる人たちと一緒にビジネスしたいよね。

 

− 社名のWano(ワノ)って、どんな意味ですか?

野田 「日本の文化を、世界に出していこう」っていうのがあって。日本を意味する“和、倭”の株式会社ってことで。後付でロゴデザインしていて、思っていたのが、仲間の“輪”にもなるし、サテライトっぽいって思っている。名前の候補にはいろんなレパートリーがあった。

谷本 デモクラシーと和の暮らしをかけた「ワノクラシー」とか、実りを意味するベリーと合わせて「ワノベリー」とか。

野田 で、ワノだけで良くね?ってなって、Wano(ワノ)にまとまったね。

相当やってるな、相当失敗してるんだなって

 

− Wanoとして、どんな事業やサービスを作ってきましたか?

谷本 業務委託とか広告とか除くと、最初はクラブ情報じゃない?

田村 そうですね、mixiアプリの『TERMINAL(ターミナル)』です。日本中のイベント情報、クラブの場所とか今何やっているかとかのデータをスクレイピング(Webサイトからデータを自動抽出する技術)で集めてきて。みんな400件ずつとか目標を持って見ていましたね。で、『TERMINAL』って名前がかっこいいねってなって、いろんなサービスにTERMINALって名前をつけていましたね。

谷本 今はバージョン2.7くらいだね。まずはクラブ情報、そして音楽ダウンロードサイト、それが音楽聴き放題サイトになって、アプリ化した。

田村 あとは、ツイッター広告の仕組み作りましたよね。『Followbird(フォローバード)』ってやつ。

谷本 そうだね。そのまま売却できたやつだね。

田村 スマホで電子書籍作るアプリもやりました。テキストデータを入稿してもらったら、アプリで書籍が作れるっていうやつ。『Wanoブック』、初めてサービスでWanoって名前を使ったんですよ、でも一瞬で無くなった笑

谷本 amazonの存在を忘れてたね。笑

田村 あと、いいアプリを人に教えるアプリ『AppDELI(アップデリー)』。例えば自分がiPhoneでこのアプリいいねってなったときに、Android使ってる友達に、Androidのマーケットでの同じアプリを教えてあげられるやつ。

田村 ご当地ゲームも作りましたね。

谷本 あれは一番ヤバい笑

野田 震災で色々あって、すごく時間かけて作り込んだのに、リリースしなかったやつだね笑

田村 位置情報を使って、位置情報に合わせてモンスターが出てくるんです。ポケ○ンGoみたいなの。スマホが出たばっかりのときにもう作っていました。

谷本 俺ら、あの時はamazonじゃなくて任天堂を忘れていたね笑 あまりに相手が大き過ぎると見えてないっていう笑

野田 やるのが早すぎたな。スマホが出始めで、どこが軸になるか分からないときに、俺らは既にコンテンツ側を作ろうとしていたからね。

谷本 あとは波形データのやつ。

田村 作りましたね。人の耳に聴こえない音波を、楽曲の中に入れて。例えばコンビニで配信して、ユーザーのスマホ端末で背後の音楽をキャッチして、通知がONになるやつです。あれ他社がコンビニのFで実現してましたけど、俺ら先に作ってましたよね笑

田村 作ったサービス並べたら、相当やってるな、相当失敗してるんだなってことになりそうですね。

谷本 失敗をあまり並べたくないけどね笑 でも失敗があるから、今があると思う。TuneCore Japanや、動画広告のVeleT(ベレット)も、形になり始めているしね。

事業のサテライト化でスピードを拡張し、経営者を育てる

 

− Wanoグループの会社が増えましたね?

谷本 Wanoの流れの中で、重要なポイントが2つあって。1つはエンタメって軸。もう一つは、サテライト化。TuneCore Japanや、アルファアーキテクトのように、事業単位で会社を切り出していきましょうっていう。

野田 設立当初に組織論的な話をしていた時から、30人(ひとクラス)くらいがベストなんじゃないって話をしていたよね。

田村 少数精鋭で、気の合う仲間で、ガンガンサービスを作りたいっていうのがあった。

野田 理想ってそういうものなんじゃないのって。とはいえ、サービスに人が必要だったら、会社を作ればいいと思っていて。大きな会社は、事業部で組織を分ける。で、事業部ごとにルールを作るけど、事業部と事業部の間で歪みが出ちゃう。それなら、会社ごと分けちゃって。ミドル層も、経営マインドを持つ中間管理職ではなくって、経営者にしちゃえ、みたいな笑 大手ならともかく、俺らは会社の規模が小さいのに、それを本当にやっちゃっているんだよね。

田村 Wanoの経営陣は、もちろん経営もしているけど、思いついたら自分たちでも事業やりたいって思っている。無邪気な子供のように。野田さんや谷本さんは、実際に新規事業を進めている。でも人を抱え過ぎちゃうと、経営の仕事だけに集中せざるを得なくなる。だから一番、テンション高くその事業を頑張れて、責任ももってステップアップしてほしい人に経営を任せていくって感じですね。

谷本 まだまだ道半ばだけどね。いくつもサテライト化してるけど、俺ら以外のメンバーの独り立ちはまだできていなくて。威一郎はTuneCore Japanとand pictures見て、俺はアルファアーキテクトとSTYLICTION見てるし、鷹はEDOCODE見てるし。

田村 そうですね。いずれメンバーに任せられるようになるといいですね。そういうメンバーも増えてきているし。

野田 1つのサービスで1つの会社にするってのは、最近の流行りだね。分かりやすいし、肯定的に思う。そしてその流れには乗れていると思う。

考えていることが10年前から変わらない、独立資本ベンチャー

 

− Wanoは単体としては、どんな会社ですか?

野田 イケてるサービスを作りたい人たちが、集まって作れる。プロデューサー集団。少数精鋭のものづくり会社で、世界に届くクオリティのものを作って、世界に日本の文化を届けられる会社。

谷本 届けられる人や会社の、手助けになっている会社。サテライトを取りまとめて、アイデアや技術を提供して支援していく会社。

野田 日本のものを何か世界に届けようと思った時に、届けるモノも必要だし、届ける方法も必要。そしてその軸が、エンタメ。夢を持っている人たちを、応援するサービスを作る。

田村 Wanoは、ゼロイチのところを、バンバン作っていく。

谷本 そして、そのような会社を、抱えて、支えている会社。そういう意味で、今回のWanoグループサイトは、いい取り組みだね。どんな会社を、とかどんなサービスを、とかの情報を例示的に出していけるせイトになっているからね。

 

− 課題はありますか?

野田 スピードかな。VCとか他社の資本を入れない分だけの。

谷本 ま、スピード拡張できるようサテライト化しているからね。そしてサテライト化した会社には、VCからも入れられる。

田村 EDOCODEは実際にデジタルガレージ社から出資を受けていますからね。

谷本 デジタルガレージ社は、出資先を吟味している。EDOCODEは事業会社だし、事業内容を認められているってことは強調したいね。

田村 業界の中で、デジタルガレージ社の出資会社というのは一目置かれる立場だと思う。これからEDOCODEの思いを形にして、新たに自社サービスを展開していく上で、名前を知ってもらう一つのきっかけになりますね。

野田 課題は他には、やっていることが分かりづらいところかな。自分たちが作り続けてもいるし、作る人たちをサポートする側でもあるし。

谷本 ビジョンとかミッションを、明文化したほうがいいかもね。

野田 ミッションは変わらないから、その中で何を作ってるとか、中間を提示していったほうがいいね。

田村 PRが弱いですね。

野田 弱いというか、全くやってなかったね。

谷本 TuneCore Japanは、音楽業界の中じゃ知名度が広まっている。でもWanoがやっているってことは、きっと誰も知らないだろうね笑

田村 グループで年間売上20億円以上とかけっこうな規模ですよ。表に出したほうがいい。

谷本 and picturesのリリースで、有名なスタジオと、とか有名な音楽家とコラボして、とか、映画の興行収入が○億円いきました、とかいう話題でバズっていたのとか、あったよね。

田村 きっとネタがたくさんありますよね。笑 このグループサイトを通して、発信し続けていきたいですね。

谷本 外に向けて発信していけば、内側のメンバーにも伝わりやすくなるよね。

田村 Wanoグループってこんなことやっていて、グループ全体としてすごい面白い会社だなって、みんなが思えるようにしたい。

 

田村 業界で、「Wanoです」って言ったら、ああWanoさんですね、と知られているようになりたいですね。

谷本 知っています、面白そうな会社ですよね、でも何やっているんですかっていう、ミステリアス感がほしいね笑 そこから紐解けるようになっていて、これもあれも、「あ、実はWanoなんだ」みたいな。

田村 数あるベンチャーの中でも一際注目されるグループ企業にしたい。

谷本 グループ各社でやってる各業態で、サービス定着が必要だね。

田村 サービスがカオスマップにきちんと載るようにしたいですね。VeleT(アルファアーキテクトの動画広告サービス)のロゴがようやく最近、入りました。ブランディングをしっかりしていきたいですね。

 

− Wanoのいいところは?

谷本 Wanoのコンセプトや、サテライト化が、気に入っているし、いいと思っている。やりたいことを、世界に届ける、届けるものを作る人を支援するというコンセプト。それを自分たちだけでやっても手一杯になるから、サテライト化して、スピードも拡張して、いろんなジャンルで一気に進める。

野田 ちゃんと地に足つけて、地道かもしれないけど、やれていること。志を成し遂げるためにお金も必要になるけど、最初からVCとか外部を入れないことを決めて、やれている。これまで稼げることもやって、エンタメに投資していって。失敗も多かったけど、例えばTuneCore Japanが形として残り始めている。それに加えて、映像の制作チームが集まったり、ファッションやっていた人が集まったり、そのジャンルジャンルでの夢追い人たちを応援し始めている。俺ら自身もベンチャーだし、いわゆる投資家みたいな感じでグループ化しているつもりはない。一緒にやっていこうね、みたいな感じだからこそ、一緒になってきてくれている、徐々に人が集まってきてくれている、そういう感覚がある。まだ道半ばだけど、兆しが見えている。

田村 考えていることが10年前から変わってないことが、いいことだと思います。ずっと同じこと言っているなって。

谷本 本当にVCも入れていないし、道半ばなりに、進み始めている。

田村 つまり、志ですね。こうやりたいよね、っていうのを、今もずっとやっている。VC入れたら、失敗が1回で終わっちゃうかも知れない。俺らみたいに10回も20回も失敗できずに、会社潰せって言われて終わっちゃいそう。一方で僕らは、失敗することを、恐れることがない。失敗しても自分たちの会社だし、それを許容できるように会社を作っているんです。

 

− メンバーに期待するところは?

野田 せっかく、サテライト化っていう組織体系を実践しているので、経営マインドをもって、仕事をして、実際に経営者になっちゃってほしい。

田村 Wanoの場合は、このメンバーを説得すれば、なんでもできますからね。

谷本 社員にしてみると俺らを説得するのが難しいのかもよ笑

田村 ま、社会だと一般的に、もっと厳しいですよ笑 グループ会社がどうとか話して、飲みに行って、ゴマをすって笑 そういうのはWanoにはない。だから、もっと自由に、「これをやらせてくれ!」って、言ってきて欲しい。バンバン利用してほしいですね。

 

− これからが楽しみです。ありがとうございました!