【CTO対談】エンジニアサイド(Wano / TuneCore Japan / EDOCODE)

EDOCODE TuneCore Japan Wano

2017.4.4

Wanoグループ3社(Wano、TuneCore Japan、EDOCODE)のCTO、エンジニアトップたちに、普段意識していること、新しい技術に対する考え、求めるエンジニア像などの話を技術的な側面から伺いました!

 

(以下、敬称略)

加藤 ところで多羽田くん、最近ゼルダ(※)始めたらしいじゃん、どうなの?  ※任天堂社の家庭用ゲーム『ゼルダの伝説』

多羽田 ・・・やばいです。

橋本 やばいってどういうこと?

多羽田 ・・・時間がないんです。

加藤 仕事が忙しくて、ゼルダやる時間がないってこと?

多羽田 いえ、・・・寝る時間がないんです笑 ハマっちゃって・・・。ていうか、すごいカミングアウトから対談が始まってますね、しかもCTOたちを前に笑

 


 

加藤 敦(Wano社 取締役、EDOCODE社 取締役CTO)

仕事の疲れをプログラミングで癒やすという生粋のエンジニア。JPA(日本Perl協会)元理事。PC9801 M に付属のN88-Basicからパソコンに興味を持ち、家にあったパソコンで自作のゲームを作って遊んでいたとか。これまでアドテクノロジー、CMSを主軸に多数のプロジェクトに参画、使い勝手の追求から現在EDOCODE社で使用している社内フレームワークも開発。趣味は読書、バードウォッチング、そしてなんといってもプログラミング。

橋本 誠良(Wano社 取締役CTO)

IT会社社長を経てWanoに参画し、マネージメントを軸に自らプログラムを組む役員として稼働中。地方私大を中退後、Windowsのシャットダウン方法すら知らない状態でSIer入りし、VB、Java、C#等を経験。NTTデータ系列会社に転職後はプロマネとして3年間ほぼ客先で過ごし、アドウェイズ社を経て、独立起業。Wano創業メンバーと一緒に仕事をする中で賛同し、2011年にjoin。AWS好きだがGCPやAzureも触らないといかんなと思う日々を過ごしている。

鹿 麟(TuneCore Japan社 取締役CTO)

中国浙江大学を卒業し、2005年来日。インターネット広告企業の株式会社アドウェイズにてネット広告分野全般のシステム設計、開発、運用などを経験。2010年、Wano株式会社に入社。2012年、TuneCore Japanの発足から音楽流通サービスのシステム面を担当し、2016年、TuneCore Japan株式会社のCTOに就任。趣味はプログラミングと読書。IQは140以上との噂あり。

三鬼 涼太(EDOCODE社 取締役)

東京大学卒業後、複数のITベンチャー企業でSEとしてのキャリアを積み、2015年にWanoに参画。2016年EDOCODE株式会社取締役就任。ミッションクリティカル分野の基幹システム構築に、設計、開発からシステム運用までを、全方位的に担当。数万行レベルのプロダクトをいくつも単独でコーディングし、また自らシステム運用も行う。動物好きな家族のために、さまざまな動物を飼ったことがあり、良きパパの一面も持ち合わせる。

多羽田 俊 ※インタビュアー(Wano新卒エンジニア入社3年目)

小学生でプログラミングを始める。大学では航空宇宙工学科で小型人工衛星の開発に没頭後、大学院大学で宇宙科学研究所(JAXA)の研究室に所属する。2014年に新卒でWeb業界のWanoに入社。広告系サービスのサーバー開発を経て、現在は主にiOSアプリの仕様設計・開発から、技術の調査・研究まで携わる。最近は休日に自宅で電子ドラムを叩きまくり、隣人に怒られることもしばしば。

 


 

現場が面白くなるようにトップからネタを投下していく

− それでは、今日はWanoグループ各社のCTO対談ということで、技術的な側面からの会社の話を伺っていきたいと思います。まずは技術系の役員として、普段どのようなことを意識していますか?技術的な指針とか、こういう会社にしようとか。(多羽田)

橋本 私は現場じゃない立場ですけど、グループを問わず、エンジニアに声かけるよう意識しています。そして例えばデベロッパーチャンネル(slack内のグループ)に、面白くなるようなネタ、興味ありそうなネタを投下するようにしています。例えばPerlを使うのはもうやめようか?と、わざと話を振ってみたり笑

多羽田 Perlをやめたら加藤さん(注:日本Perl協会の元理事)が面白くなくなってしまうとかありますか?

加藤 最近はPerlだけじゃありませんよ。家に帰ってからでもやれます!

橋本 他にもエンジニア合宿の話を言い出したり、新規プロジェクトの話を投げてみたり、現場が目先の仕事だけにならないように心がけています。

三鬼 現場からどんどん発信がある、というのが理想的かもしれませんが、やっぱりエンジニアは他の職種と比べるとおとなしい人が多いし、日々の業務があるのでそこで精一杯になりがち。だから、トップからもやったほうがいいですよね。仕事というのは、面白いことだけじゃなくて、時には辛いこともあります。そんな中で、slackにネタがあったり、そこで面白いなと感じられるコミュニケーションがあったりしたほうがいいと思います。

 

多羽田 鹿(ルー)さんは、チューンコアジャパン(音楽事業会社、以下TCJ)で何か意識していることはありますか?

鹿 今は、新しい機能の開発やテストを、よりスムーズにしたいと考えています。TCJは、外部連携が多い。アーティストとかストアとか社外のプロバイダとの連携が多いです。今後は日本からアジアに進出していく中で、そしてクラウドを使っている中で、開発のフローも見直していきたいし、新しい機能の追加をどうやって短期間で実現するかとか、もっと勉強して、業務効率化していきたいです。

多羽田 TCJのエンジニアって英語が必要ですよね?

鹿 英語は必要です。海外の資料は、英語ばかりですね。USとかヨーロッパとのやりとりは、メールがメインです、時差がありますからね。

三鬼 メールならなんとかなるかもしれませんね。もしSkypeで英語でリアルタイムにコミュニケーションしましょう、となるとハードルが高くなると思いますけど。

加藤 メールのほうが絶対いいですね。笑

鹿 かといって英語ができるエンジニアって少ないので、そこそこの英語ができて開発もできて、音楽に興味あるメンバーを募集中です。

多羽田 TCJはPerlではなくてもオーケーですか?

鹿 Perl以外でも考えますよ。一部は、USとシェアで、Rubyとかですし。それだけではなくて、他の言語でもいいかなと思います。使える技術を増やしていって、バージョンアップを頑張りたいですね。

Wanoから新しい技術を提案し、支援できる環境を作りたい

− 社会で様々な技術の盛り上がりがある中で、新しい技術の取り入れ方について、どのように考えていますか?(多羽田)

鹿 個人的には、興味とか遊びの感覚なら、どんどん使いたいと思います。ただし社内のサービスとしてモノを作るのであれば、実用性を踏まえて、よく検討すると思います。

橋本 Wanoはラボ的です。ある意味、人柱のようになっていくと思っています。Wanoが新しい技術で作って運用してみて、上手くハマれば、実際に使うかどうかの判断をしていく。実際にAWSの新しい技術はどんどん取り入れています。

三鬼 グループ会社への共有方法を考えていきましょう。

橋本 Lambdaなんかのサーバーレス系使った方がいいんじゃないですか。ハマりどころとか共有できますから。

三鬼 そういう動きするところを作らないとですね。気軽に橋本さんや多羽田さんがグループ会社の人に教えてくれるような。新しい技術をすぐに採用するとまでいかないでしょうけど、提案はしてくれるような。すぐに、机で、どうですかって話を気軽にできる。そういう環境にしたいですね。

三鬼 勉強会で知識だけ提供するのではなくて、実際の入れ方まで一緒に考えてくれるようになっていただけると嬉しいです。業務面の全体会はやっていますね、しかしビジネス寄りの内容ですし、サービスの裏側までは十分に共有されていません。グループ間で、契約などに反しない範囲で、もっと共有できるようにしたらいいと思います。かしこまった感じではなくて、よりフランクな形で。

多羽田 そういう場がより増えて、より全体像が見えやすくなるといいですね。

鹿 クラウドを使う時は、管理画面でポチポチとボタンを押すだけのこともよくあります。冗長化とかサーバー側の知識をWanoからもらえると、より楽になると思います。

三鬼 インフラを組み立てなくてもいい時代になりました。しかしクラウドの設計とか、本当は何がいいのかを分かる人が増えたわけではありません。それができる人を採用するのか、育てるのか。私としては、育てたいです。私達のサービスがあって、今いるエンジニアたちに、もっと把握してほしいと思います、どのようにシステム全体が動いているのか。・・・ただし育てたいといいつつも、ちゃっかり、できる人も採用していますけどね、むしろ僕以上にできる人も笑

率先して沼にハマっていく。そしてフォローし合う文化がある。

− どういう人を採用したいという基準とか、エンジニア像はありますか?(多羽田)

三鬼 私は一次面接に入ることが多いのですが、どういうことができるかよりも、私達のサービスを説明して、興味を持ってくれるか?を重視しています。それで「やりたいです」となれば、テストのフェーズに進めています。技術も大事ですが、サービスに興味を持てた方が、長続きすると思います。Wanoグループにはサービスを作りたいという人が多いと思います。そういう人たちの思いは共有したいですね。

橋本 二次選考ではスキルを見ています。同じ目線で業務ができるといですね。あとは自分で何が必要かを考えて、自分で動き出せる人がいいなと思います。この規模(グループ全体で80名程度のまだ小さな規模)ですから、受け身とか指示待ちの方だと厳しいかもしれませんね。

三鬼 チューンコアの音楽流通サービスを説明すると、みなさん興味持ってくれますね、なにそれ面白そうって。

橋本 Wanoは昔、取引の関係でやってること書けないことが多かったので、採用は大変でしたね。

多羽田 外部に言えない部分はどうしてもありますけど、実は社会の様々なところで動いていますよね。私は入社後に気づくことが多かったです。ショッピングサイトですとか、『VeleT』(動画広告サービス)もそうです。

橋本 ショッピングサイトについての最近の事例は、ようやく言えるようになりましたね。

三鬼 エドコードは今年に4つくらい新しい案件が増えます。通信事業者の電子マネー関連システムですとか、台湾最大級のポイントサイトですとか、電機メーカーの非接触型ICカード関連のシステムですとか。エドコードが完全に最初から開発に取り組んでいるものがいくつも出てきています。

橋本 話は戻りますけど、率先して“沼にハマっていく”エンジニアがいいと思います。つまり、チャレンジできるエンジニア。

多羽田 率先して沼にハマりたいって、そのような人がいたら変態ですね。笑

三鬼 チャレンジすると失敗があり、そこから成長がありますからね。そこをどうフォローするのかが大事です。

加藤 失敗は必ずあるので仕方ありません。

多羽田 今までの大きな失敗ってありますか?

橋本 リニューアルを請け負ったサイトが、オープンするはずなのにログインできない状態が3日間続いたのはひどかった。その間オープンできなくて大事故でした。・・・もう5年前かな、ところであれってどんな原因でしたっけ?

加藤 よく覚えていません・・・

三鬼 忘れたい記憶なのか反省がないのか笑 反省しなくても加藤さんのように高いレベルになれるってことかも知れません笑 とにかく沼にハマることは重要だと思います。

橋本 そうですね。分からないことに対して、どうなっているんだろうって頭を使って調べる、試す、そういうのをなるべく若いうちからやった方がいいと思います。崖から突き落とすような感じですね。

多羽田 ちょっと表現が笑 裁量を任せるとかそういう言葉のほうがいいんじゃないでしょうか。笑

三鬼 大丈夫、崖の下ではいつも加藤さんが待ってますから笑

加藤 必ずフォローはする。そして可能な限り、直します。

橋本 やばいCTOインタビューぽっくなくなってきたかも知れません。笑

 

加藤 私の反省点は、もっと早く気付くことでした。

多羽田 今日は加藤さんの反省会じゃありませんよ。笑

加藤 ま、そうですけど。レビューが大事ですね。そう個々が心がけていきたいと思います。基本を怠らない。何か問題が起きるとしたら、無責任な仕事をした時です。失敗に対して怒るのは意味がないですね、自分も失敗しますし。

多羽田 メンバーの失敗に対して、もし加藤さんが徹夜でフォローすると、それはそれで申し訳ない気持ちになってチャレンジしなくなるかも知れません。笑

加藤 ま、怒られて反省するというのも、横で上の人が頑張っているのを見て反省するというのも、どちらも事実でしょうね。

多羽田 この会社って、誰かがカバーしますし、自分もカバーしますし、そういうエンジニアの雰囲気があると思います。それって意識してるのでしょうか?

加藤 任せた仕事の失敗は、絶対にフォローします。対外的な品質は、絶対的な使命ですし。もし期日までに遅れそうと分かったら、あわてはしますが必ずフォローに入ります。何が何でも間に合わせる、それはひとつの動機になっています。対外的な約束を守る使命感があって、それに向かって助け合う精神がある、すごく大事なことだと思います。強い責任感を持ってる会社だと思いますよ。

橋本 チューンコアのオープン時は、Wanoのエンジニア総出でしたね。

三鬼 グループ会社間で、人員を派遣し合っていましたね。契約に反しない程度で。そういうのは、どんどんやったほうがいいと思います。

多羽田 ジョブローテーションですかね?

橋本 Wanoに関しては、他のグループに行ける、はありますね。

多羽田 私もやりましたね。

加藤 現場の余裕を作って、可能性を広げていきたいですね。

三鬼 引き継ぎの時間もきちんと取りながら、移動できるようにしたいですね。

橋本 Wanoから事業を切り出していく、という方針があります。そこに興味を持つ社員が多いと嬉しいと思います。社長になりたい、そういうのはエンジニアであってもいいと思いますし、ぜひやって欲しいと思います。

興味を持ち、想像する。感性を努力で磨きやすい環境を作る。

− 最後に、エンジニアに向けたメッセージをいただけますか?(多羽田)

加藤 向上心があってほしいですね。あと、理解力もほしいです。

多羽田 理解力は、どうやって高めればいいと思いますか?

加藤 いろんなものの仕組みを考える。これがこう動く、ということに、興味を持つ。すると、理解力がおのずと増していくんじゃないでしょうか。エンジニアは、要件が降りてきて作る場合が多いです。その時、要件を理解することが大事ですけれど、不明確なことは聞かないといけません、物事がどのような仕組みで動いているのかということに興味をもって。すると相手も、きちんと考えてくれているんだな、と安心できると思います。だから重要だと思います。

 

橋本 エンジニアって2種類いると思います。まず、技術が好きなタイプ。加藤さんみたいな方。一方で私の場合は、やりたいことがあって、それを作るための手段としてのプログラミングだったりデザインだったりと考えています。技術も大事です。一方で、サービスに興味を持つ人も増えてほしいと思います。起業する人は、サービス寄りの人が多い気がするな。技術とサービス、どっちがいいってわけではないですけれど。

 

橋本 あとは、想像力がある人ですね。新しいサービスは、どういう人が使うんだろう、とか、こういうアーキテクチャにしたら、どういうところに影響がでるかな、バグの発生率も低くなるかな、とか。

多羽田 経験ある人なら想像できるかもしれませんが、経験がない人はどうしたらいいでしょう?

橋本 作る時に、どんな人が使うか?ってイメージして、こういう人が使う時はこんなUIじゃだめかも、プログラムも変えないと、というように、自分だけの視点で見ない、ということを心がければいいんじゃないでしょうか。

多羽田 橋本さんの場合はサービス寄りの意見ですね。では加藤さんの場合はいかがでしょう?

加藤 よく分からないですね笑

多羽田 なんか技術の人っぽいですね笑

 

鹿 UIのエンジニアがもっと必要だと思います。フロントエンドのエンジニア、デザインのエンジニア、はいますが、アプリのUI、UXを作る人がほしいなと感じています。

加藤 UIって、理論に基づいたものも知らないから、論理的に反論できないですよね。エンジニアリングでたくさん機能がある中で、取捨選択の能力が必要になります。妥協点を探って、折り合いをつけていく必要があります。限られた時間の中で、最高のものを目指すってのが大事ですね。

多羽田 「限られた時間の中で最高のものを目指す」ってとてもいい言葉ですね!

三鬼 UIに自信を持つことって、感性だとか経験だと思います。それを意識して磨くことはできると思います。これ便利だな、これいいな、こう作りたいな、と感じたこと思ったことを、ちゃんとメモして、ストックとして蓄積していくべきでしょうね。いいなって思うことがあっても、忘れちゃいますから。UI設計しないと、と思って本でもペラペラ見てると、アイデアとかヒントとか出てきますよね。Windowsのアプリ作らないと、となった時に、自分のノートを見直して、これ入れてあれ入れて、このアイデア取り入れてってできると思います。やっぱ努力しないとですね。感性がないとしても、努力で伸ばすことはできます。

多羽田 それはそう思いますね。やっぱ書いた方がいい。弊社にはエンジニアのデベロッパーブログがあって、すごくいいなと思います。みんなで集約していって、あ、なんかいいのあったよな、と気づいて見直す。自分の頭のなかには少ししか残ってなくても、Slack有料版に残ってますからね、うちの会社は。もう消せないとも言えますけど笑

加藤 外部公開しない社内ブログが欲しいです(注:現在あるブログは社外にも公開されています)。外部に出すほどではない内容を、赤裸々に、体裁も整えなくていい感じの社内のものが。何がいいかなってツールを探すところから、軽い感じでアップして、いいねいいねってなったやつを、(外部公開の)デベロッパーブログに上げるようにするような。

三鬼 ネタを投げたら、みんなで反応して、リアクションして、盛り上げてよりよくしていく感じにしたいですね。

− ありがとうございました!みんなで盛り上げていきましょう!

※追記:外部公開しない社内情報共有ツールを、対談から数週間後に導入済。3営業日で20記事程度書かれており、まぁまぁ好調な滑り出し?