DEVELOPERS BLOG 2023.12.28

チームの垣根を越え、エンジニアがスキルアップしていける環境を模索―Wanoグループの勉強会について話しあってみました

音楽コンテンツの流通サービス「TuneCore Japan」や動画コンテンツのディストリビューションサービス「Video Kicks」の開発・運営を行うほか、ITプロダクトの開発・運用を行うEDOCODE株式会社など、様々な領域で事業を展開するWanoグループ。前回、Wanoグループの開発合宿をレポートしましたが、それ以外にもWanoグループでは、各社で様々な“勉強会”が開催されています。今回は各チームのステークホルダーが集まり、各社の取り組み状況や、これからの勉強会について話し合ってみました。(聞き手:広報ツヅキ)

 

<今回インタビューに答えてくれた4人>    

橋本:WanoグループのVPoEとして、採用や環境改善などエンジニアチームのマネジメントを行う。

加藤:Wanoの設立当初から開発全般に関わる。現在は、EDOCODEのCTOを兼務。

翔吾郎:TuneCore Japanのエンジニアチームリーダー。開発環境の最適化のための新しいツールの導入やオンボーディングプロセスの整理なども積極的に行っている。

伏見:Video Kicksのエンジニアチームリーダー。Wanoに新卒で入社後、さまざまな新規開発に関わっている。現在はVideo Kicksの設計・開発を担当。

 

研修型や輪読会、各社さまざまな勉強会の形

ツヅキ:
最初に各社の勉強会についてお聞きしていければと思いますが、EDOCODEの勉強会はどのように始まったんですか?

加藤:
元々始めたときは、特に準備せずに、適当にシニアメンバーがしゃべっていただけだったんですが、アンケートを取ったらトピックスが散漫だということで、それ以降は“Developer Roadmaps”に出ているようなトピックスを選んでやっています。

自分自身がここ最近参加できていないんですが(苦笑)、2週に1回くらいの頻度でやっていて、調べてきたことを発表してそれに対して皆が質問していく、っていう感じです。月に1回はフリートピックスの勉強会があるので、その時はAtCoderの問題を一緒に解いたりということもしていますね。

ただ、ちょっと数学的過ぎるところがあるので、もうちょっと別のことをやってみても良いのかもしれないなとも思っています。例えば、脆弱性のあるサイトを構築して、その脆弱性を一緒に突いてみたりする、とか。

ツヅキ:
勉強会を始めた経緯や目的はどういったことだったんですか?

加藤:
スキルアップという目的ももちろんありますが、主な目的はコミュニケーションの活性化ですね。今、EDOCODEはプロダクトごとに3チームあるんですけれど、放っておくと交流もなくなってしまうので横のつながりを作りたいと思って、自分が提案して、1年くらい前に始まりました。

ツヅキ:
Wanoでの取り組みはどうでしょう?

橋本:
VideoKicksチームは人数も少ないので、実は定期的な勉強会っていうのはなくて、TuneCoreJapanチーム含めて“CodeCrafters”というサービスを使った勉強会をやっています。それ以外ではEDOCODEでやってる勉強会に出たい人が出るという感じです。

伏見:
Video Kicksチームで不定期でやっている内容は研修的な感じですね。最近は覚えることも多いですし。

加藤:
EDOCODEの勉強会も、業務には関わりがないけれど、エンジニアとして知っておいた方が良いと思われることをやっているので、研修的な意味合いが強いですね。コンピューターサイエンス系の学校を出ている人って少なくて、まだ経験が浅いうちは、どうしても知らないことが多いので、興味を持ってもらえていると思います。

ツヅキ:
TuneCore Japanではどんなことをやっているんですか?

吉田:
TuneCore Japanはエンジニアが10人以上いて、フロントエンドとバックエンド、それぞれで勉強会をしています。

フロントエンドの方は、元々隔週で基礎知識に関する勉強会をやっていたんですが、“やっぱり実践しないと分からない”というところがあったので、途中から普段なかなか取り組めない改善だったり、ちょっと新しい技術を試すみたいなことを、毎週1時間集まって作業する“もくもく会”としてここ半年近くやっています。ただ、逆に、“もくもく会”だけじゃなくて、勉強もしたい、という声も出てきているので、やり方を考えたいなと思っているところですね。

バックエンドの方は、基本毎週、皆で同じ題材の本を読んで、それに対してディスカッションをする、という“輪読会”をやっています。勉強会のための準備時間を取ろうとするとハードルが高くなってしまうので、事前準備の時間を取らずに何とかできないかということでこういう形式になりました。 

フロントエンドとバックエンドの領域を跨いだ勉強会としては、普段触れないドメイン知識について詳しいメンバーの1人から聞き出す会、みたいなのをやったりしましたね。

勉強会を継続する仕組みづくりとは

ツヅキ:
Wanoグループとしては、やはり勉強会は大事だと考えているんですか?

橋本:
個々のスキルアップを図ることはもちろんですが、グループ全体のレベルアップのためにも必要だと思っています。その一環として、Advent Calendarや合宿などもあります。勉強会に関しては、“こういうサービスを使ってみた”“こういう開発ツールが便利だった”みたいなのはチームや領域関係なくできると思うので、それをもっと周知して皆が参加してもらえるような仕組みを作っていきたいですね。

どうしても組織が大きくなってくると、なかなかやりづらくなるというのもあるし、なんとなく仕事が忙しくて集まりが悪くなって自然消滅していって、でもまた復活して、みたいなことを繰り返してきたので、継続してやり方の改善をしていくしかないのかなと思っています。

吉田:
1年前は技術以外の勉強会もちょくちょくやっていたんですけれどね…著作権についての勉強会やNFTについての勉強会など。でもそれも様々な理由で自然消滅してしまいました。

橋本:
必要があるときにやるスタイルもあれば、ある程度頻度を決めてやるぞ!ってやっていくスタイルもありますけれど、どっちがというのは難しい問題ですね。

ツヅキ:
TuneCore Japanで継続している勉強会は、割としっかり頻度を決めてやるスタイルですか?

吉田:
“基本的にはこの頻度でやるけど無理はしない”という感じです。

ツヅキ:
やっぱりファシリテーターというか、声がけするメンバーがいるのでしょうか?

吉田:
フロントエンドの方は、私が言い出した経緯もあって、私やもう1人のメンバーが中心となって声かけしています。バックエンドの方は、輪読会のスタイルなので、誰か1人が休んだとしても開催できるというような感じになっています。

ツヅキ:
それはいいですね!輪読会っていうやり方が良いんですかね?

吉田:
ファシリテートする人がすごく事前準備しないといけないと腰が重くなるけれど、そういうのがなるべくないように、ということを心掛けているので、準備できていなくて延期、みたいなことは起こりづらいかもしれません。

現在の課題と、グループで解決できること

ツヅキ:
今の課題は他にありますか?

加藤:
EDOCODEで言うと、今の研修スタイルだと、後から入ってきた人がいた時が難しいなと思っていて。その人に合わせると、前からいた人はそれもう一遍やるの?となるし、それをどうしようかなと思っています。

橋本:
体系立てた勉強会って本当に難しくて、新しく人が入るタイミングに左右されますよね。

伏見:
最初からやれる人もいれば、途中から始まる人もいる、みたいな。

橋本:
そう、途中から始まった人は、“この前はどんなだったんだろう?”ってなるし、かといって録画を見るのもなかなか大変だし。

加藤:
一応倍速もできるけど(笑)。どうだろうな、と思う部分もありつつ、現状はそういった体系立てた勉強会のニーズもあるんですよね。

橋本:
ある程度人数がいればスキル別の勉強会もできると思うんですけれど、各チームはそこまで人数が多くないので、なかなか難しいところはありますね。

今、AWSの資格を取るために勉強を始めたメンバーがいるんですけれど、他のチームでも同じような人がいるなら、その人達をつなげて、勉強会をやってみても良いですし、今は勉強する気はなくても将来的に勉強するつもりの人も来てもらったりしても良いかもしれない。1つのチームだけじゃなくて、全体で考えたら動きやすいということもあるかもしれないので、そういうのを考えても良いのかもしれないですね。

吉田:
そういえば、ちょうど昨日メンバーとグループの会社と一緒に勉強会したいね、っていう話をしていたんですよ。1年位前に、EDOCODEのデザイナーと、プロダクトデザインの勉強会をやっていたんですけれど、そういった技術以外にもプロダクトづくりに関する勉強会も復活できたら良いなと思うので、グループの垣根を超えて再度取り組んでいきたいですね。チームメンバー以外のメンバーが参加してもらうと、別視点の意見も入ってくるから、参考にもなるんですよ。

橋本:
勉強会のカレンダーの共有とかは良さそうですね。エンジニアの人数やチームが取り組む課題等の状況によって勉強会の在り方は変わるので、チーム及びメンバー個々人にフィットした勉強会になるよう改善しながら続けていきたいです。

加藤:
合宿も、最初に自己紹介はあるけれど、チーム内でまとまってしまっていたので、何か工夫しても良いかもなと思いました。

 橋本:
グループ全体で色々仕組みは考えていきたいと思います。

 伏見:
僕らからも何か企画できるように頑張ります!

勉強会以外の取り組み―“AdventCalendar”や今後の展望とは

ツヅキ:
ちなみに、ちょっと勉強会からずれますが、AdventCalendarも今年もやるんですよね?

橋本:
はい。去年からメンバーにファシリテートしてもらって、誰がいつ書くかということを決めてやるようにしました。“いいね”の数が一番多かった人がギフト券3万円分の賞をもらえるようにしたのも盛り上がったので、今回もそれを実施する予定です。

伏見:
今年も景品があるんですか?

橋本:すでにギフト券発注済です!

それと、来年「YAPC::Hiroshima 2024」というPerl言語のカンファレンスがあって、そのスポンサーをWanoがやるんですけど、そのカンファレンスに参加できる賞も作りました。勉強会にしろ、AdventCalendarにしろ、合宿にしろ、自発的に勉強したり発信したりする人が増えるための1つのきっかけになれば、と思っています。

加藤:
特に若いエンジニアにとって、自分で勉強したりすることは大事ですね。僕はもう老人だけど(笑)。アウトプットもしなきゃいけないですけれど、インプットを多くしないとダメな職種だと思うので、ちょっとでも覚えたことがあったらブログとかそういうところに書いておけば糧になると思います。

ツヅキ:
それは他の職種でもそうですね。私自身も気が引き締まります…!

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