INTERVIEW 2020.12.24

映像クリエイターに光を当てたい。試行錯誤の中から生まれた「Video Kicks」が目指す未来。

エンタメ分野におけるクリエイター支援をミッションに、様々なサービスを展開するWanoが今一番注力するのが、動画ディストリビューションサービス「Video Kicks」。初期からこのサービスに関わる伏見に、「Video Kicks」の開発秘話やこれからの展開について聞いてみました。

 

音楽や映像とITという掛け合わせに惹かれ入社

2014年春、当時はまだ西新宿の雑居ビルにオフィスを構えていたWanoに、初の新卒として入社した3名の中に伏見がいました。

 

「Wanoに入った理由は、音楽や映像とITという掛け合わせに惹かれたからです。大学のDJサークルで音楽に合わせた映像を作るためにプログラミングを始め、それが面白かったので、音楽・映像とプログラミングの両方の要素があるWanoに入ったら楽しそうだなと思って。入社当時はまだ20~30人の会社で、その2、3年後に恵比寿の今の広いオフィスに移りましたが、会社の雰囲気はそんなに変わらない気がします。」

 

入社した当初は、現在はアルファアーキテクトとして分社化した動画広告「VeleT」のチームで、広告プレイヤーの開発を担当していたそうですが、そのうちWanoにて新規事業をメインに担う部署に異動となります。

クリエイターが独立して活動するためのサービスを作る

「Wanoの自社サービスを作ることを目的とした部署で、新しいことが好きなメンバーが集められたのかなと思います。とはいえ、当初はいろんな事業部(※現在はそれぞれが会社化)の手伝いや、エンタメ系の受託開発もやっていました。受託開発といっても、割と広い裁量権を持たせてもらえる案件が多くて、楽しかったですね。そうしながら、自社サービスを作るために試行錯誤していた、という感じです。」

 

「自社サービスの方は、”エンタメ分野において、クリエイターが独立して活動するために支援する”という目的は、当初からはっきりしていました。でもそれを実現するためのサービスを収益化することに苦戦して、いろんなサービスを開発しては撤退して・・の繰り返しでした。インディペンデントアーティストのファンサイトや、アイドル向けの課金サービスなど、いろんなプロジェクトがありました。」

 

開発に携わったサービスがなくなることを残念に思いつつも、「転職しなくても新しいことにチャレンジできるのは、エンジニアとしては楽しい」と前向きに感じていたと言います。

 

試行錯誤の中から生まれた「Video Kicks」が目指す未来

そんな中、動画流通サービス「Video Kicks」の構想が生まれます。2012年にWano代表の野田が米・TuneCoreを口説き、ジョイントベンチャーとして立ち上げた音楽流通サービスの「TuneCore Japan」がだいぶ軌道に乗り出した頃でした。

 

「”エンタメ分野において、クリエイターが独立して活動するために支援する”という目的は結局のところ一緒なので、それを最短距離で実現するにはTuneCore Japanの周辺でスタートするのが賢いやり方では、ということになったんです。そのため、Video KicksはTuneCore Japan上でミュージックビデオを配信するための一つのサービスとして、2018年にローンチしました。」

 

「現在はTuneCore Japanを使っているミュージシャンがメインユーザーですが、将来的にはドラマや映画のクリエイターが使えるサービスにすることも視野に入れています。映像に関わるクリエイターが、Video Kicksで自分の映像を収益化して食べていける世界を目指しているんです。」

 

放送業界の商流は音楽業界とはまた異なり、ハードルも多いそうですが、2019年には当時出資していたand pictures株式会社で制作した映画をHuluにて配信するなど、実験的な取り組みも行っています。

自分の意見がある人、やりたいことがある人

目指すビジョンの実現に向けて、Wanoでは新しいメンバーを募集しています。長く会社に在籍する伏見に、会社の魅力を聞いてみました。

 

「Wanoで僕が気に入っているのは、裁量が大きい仕事ができる点です。エンジニアでありつつも事業開発に携わったり、受託開発であっても広い範囲の提案ができたりするのは、楽しいです。意見がある人や、言われてやるより自分がやりたいことがある人にとっては、快適な会社だと思います。」

 

「音楽が好きな人が多いのも特徴。でも、Wanoの人は音楽に対してディープなので、意外と特定のアーティストで盛り上がることはないんですよね。インディペンデントなクリエイターを応援する会社だから、みんな違う音楽を聴くのが当たり前で、それもWanoの面白さかもしれません。」