INTERVIEW 2021.7.30

すべてはアーティストのために。TuneCore JapanのUI/UXデザイナーが徹底してユーザーの声にこだわる理由。

有名なミュージシャンからインディペンデントアーティストまで、ジャンルを問わず毎日多数の作品を配信ストアに届け、累計170億円をアーティスト・レーベルに還元してきた「TuneCore Japan」。今年の5月からUI・UXデザイナーとしてジョインした滝沢将也に、「TuneCore Japan」で実現したいことや今後の展望を聞きました。

誰もが発信できる場を作りたいという思いで入社したTuneCore Japan

前職の某大手通信会社では、当初はエンジニア職として、業務システムの効率化やヘルプサイトの要件定義・設計などを行っていたという滝沢。その会社の社内コンテストで事業化検討チームに参加し、アプリのUI/UXデザインを担当、ユーザーが使う部分の大切さに気付き、UI/UXデザインに興味を持ちます。 

「僕、お笑いやDJをやったり、音楽作ったりするのも好きなんですが、UXデザインって、人の声を聞きながらその人が分かるものを作っていく感じが、近いものがあって。人のためにサービスや体験を作ることが好きなんですよね。“分かる”っていう感覚を作りたいんです。UXデザインの方法を用いることや、UXデザインにこだわることで、もっとデジタルプロダクトを使いやすくわかりやすくすることができると思っています。例えば、世の中には、気づかない間に商品やサービスを購入してしまうような入力フォームがある一方で、とても使いにくい入力フォームもあります。その差を埋めているようなUXデザインの手法を世界中から学び、プロダクトに取り入れていきたいと思っています。」

その根底には、“人が分かり合えること、人が同じものでつながって交わることは、楽しい”という信念があり、だからこそ誰もが発信できる場を作ることに興味があると言います。

「高校はみんなが医学部を目指すような進学校でした。医学部じゃなくても良い大学に行って・・というようなところで。でも大学に入って、色々な人と話すようになって、自分の知らない世界を見ることが増えて、すごく面白かった。クラブでバイトしていた時に、ストリートやアンダーグラウンドなカルチャーの魅力も知りました。自分は物理学科なので、アカデミックな世界も好きなんですが、自分が楽しめる世界が増えるのは楽しいなと思ったんですよね。“感性”と“論理”、どちらかだけだとつまらない。色々な人が交わって分かり合えたり、同じ良いものでつながり合えたりするのが良いと思うんです。だから、人の表現や活動を支えるような仕事をしたいなと思っていたところに、タイミング良くTuneCore Japanから声をかけてもらい入社を決めました。」

より使いやすいサービスを目指して 

TuneCore Japanは、“All for Independence”を掲げ、自由(独立・自立)なスタンスで音楽活動をしているアーティストを支援するサービスです。表現・発信したいと思っている人が、誰でも簡単に自分の楽曲を世界中のストアで販売・配信でき、iTunes Store や Apple Music、Spotify、YouTube Musicなど、国内外の音楽配信プラットフォームへの楽曲配信・管理を一括で行うことができます。そんなTuneCore Japanには、これから何が求められるのか、UI/UX担当の目にはどのように映っているのでしょうか。

「より分かりやすく、使いやすいプロダクトにしていくことがこれから必要だと思います。正直に言うと、TuneCore Japanには、まだまだこれから改善していかなければいけない部分もある。レーベルだけではなくて、アーティストも使う以上、使いやすさは大事ですよね。その“使いやすさ”が、他のサービスとの差別化にも、ビジネス上の優位性にもつながると思います。それと、TuneCore Japanというブランドをもっと愛されるものにしていくために、コミュニケーションデザインをどう使っていくか、ということも考えていきたいですね。」

自身のバックグラウンドが音楽にあることから、“音楽活動を行う彼らに恩返しができないか”という思いが常にあるという滝沢。アーティストにとって、TuneCore Japanが使いやすいサービスであるために、ユーザーの声を聞くことにこだわります。

「良いプロダクトを作るには、ユーザーの声を聞くのが大事だと思うんです。自分は音楽をやってきて、友達にもアーティストが多いから、実際のユーザーの声を聞く機会は積極的に作っています。友人のTuneCore Japanでの(楽曲の)リリースを手伝うことで、どのような伝え方・見せ方をすると分かりやすいのか、どうしたらもっとTuneCore Japanを使ってくれるようになるのか、といったことに気付くことができた。そういう観察から分かる定性的なデータ・仮説にあわせて、例えばどのページで離脱してしまったのか、というような定量的なデータがあると、何が分かりにくいのか、使いにくいのかが分かります。使いやすいサービスにしていくには、定性、定量データから仮説を立てて、素早く実装していく必要があると思うので、より良いUI/UXの分析基盤・分析体制を整えていきたいと思っています。」

“最高のバンド”に入った気分

TuneCore JapanのUI/UX担当の滝沢

Wanoに入ってみて、実際にどんな会社だったかを尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「最高ですよ。最高のバンドに入った気分(笑)。バンドで言うと、音楽性が近いっていう感じですね。皆頭良いし、話が早いです。みんな音楽が好きで、音楽を作る人をサポートしたいと思っている。アーティストファーストで、なぜこれをやるのかという目的が共通だから、スピードは速い。それぞれが同じビジョンを持って、プロフェッショナルとして自分の分野に責任を持って仕事をしている。ドラマーはドラマー、ベースはベース、って感じで、お互いの考えを尊重して聞いてくれるから、いいディスカッションができます。フラットなコミュニケーションがとれるのはすごく良いところです。」 

「みんなが表現したいことを表現できる、“誰も取り残されない世界”を実現したいという思いはずっとあります。その中で、TuneCore Japanにいるのは、自分が音楽に人生を楽しくしてもらったし、助けられた。仲の良くなかった父親と話すきっかけになったのはブルースだったし、音楽を一緒にやっていた友達と今でも仲は良いし、ずっと音楽とともに人生があったから、その音楽に恩返しをしていきたいですね。」

Wanoに合うのは、自分の世界がある人

最後に、滝沢が思う “最高のバンドに合う人”はどんな人か聞いてみました。 

「こだわりが強い人ですかね・・・自分の美意識や世界を持っている人じゃないかな。あとは、これからもっとUXに力を入れていきたいので、デザイン歴の長い人もWanoに入ってくれたらうれしいなと思います。あとは、デジタルプロダクトデザインって、ここ数年で盛り上がってきた分野だと思うので、情報のキャッチアップが早いのは、大切だと思います。一緒に勉強会とか開催できると楽しそうですね。」

TuneCore JapanのUI/UX担当の滝沢