COLUMN 2021.10.8

<Video Kicks Blog>ライブ映像を映画館に配信!世界初のヘッドホンで鑑賞する映画館「シアターギルド代官山」とVideo Kicksの取り組みをご紹介。

コロナ禍でライブハウスやホールへの観客動員がままならない今、インターネットを利用した有料型ライブ配信「オンラインライブ」など今までと違ったライブ体験が模索されています。そんな中、MV(ミュージックビデオ)の流通サービスであるVideo Kicksが今一番力を入れているのも長尺ライブ映像配信。今回は、ヘッドホンで鑑賞する映画館「シアターギルド代官山」で先日初めて開催されたライブ映像を楽しむイベント、”餓鬼レンジャー『レンジャーショウMAX』In Silent Theater®︎”についてWano広報のツヅキがレポートします!

シアターギルド代官山に到着!

「シアターギルド」は、2021年6月1日に代官山にてオープンした、世界初のヘッドホンで鑑賞する映画館で、その新しいカタチが映画関係者の注目を集めているといいます。

中に入ると、全く映画館とは思えないリラックス感のある空間が広がっていました。40席程ある客席は全て自由席で、一枚板のテーブルやバーカウンターに大きさや銘柄の異なる椅子が置かれ、観客は好きな場所で鑑賞することができるのだそうです。まるで居心地の良いリビングルームのような空間の秘密は、密閉したドアや厚い壁がないこと。無音での上映になるため、防音対策を省いた設計を採用できるからこその空間なのです。

カウンターで、ヘッドホンを受け取り、ドリンクを注文したら、ふかふかのソファに座って上映を待ちます。上映までは会場も明るく、隣の友人とも普通に話せるので、まるでカフェのソファ席に座っているようなリラックスした時間を過ごせました。

『レンジャーショーMAX』上映スタート

シアターギルド

上映スタート直前になると、会場が暗くなり、ヘッドフォンをつけるようアナウンスが。ヘッドフォンにはそれぞれボリューム調整機能がついているので、自分にぴったりの音量で楽しめるのも嬉しいポイントです。

今回上映されるのは、2017年末に開催された餓鬼レンジャーの全国ツアーライブ東京公演の模様を収録したもの。餓鬼レンジャーといえば、結成から27年、日本語ラップのエンターテイナーとしてオリジナルスタイルを確立したHIPHOPグループですが、フレッシュでクオリティの高い音源と、ショーマンシップ溢れるステージも魅力の一つです。また、このライブは大反響のアルバム「キンキーキッズ」リリース直後のツアーライブであることや、豪華ゲスト陣とのコラボレーションなど、注目するポイントがたくさん!友人も私も、餓鬼レンジャーのライブを見るのは初めてということもあり、没入できるかな?と多少不安を抱きつつの上映スタートとなりました。

開始から30分、完全に没入。

レンジャーショーMAX

スタート直後は、初めての体験、かつ、馴染みのないアーティストのライブ映像ということで、なかなか盛り上がりきれずにいた私ですが、30分程するとまるでその会場にいるかのような気分になりはじめました。ヘッドホンがもたらす音響の良さ、実際のライブでは見えないような細かい表情まで確認できる映像が、臨場感をもたらします。餓鬼レンジャーのライブには、スキット(寸劇)が挟み込まれるのですが、それがエンタメ感たっぷりで、たくさん笑ってしまいました。全員がヘッドホンで聞いているので、映画館と違い安心して笑えるのもいいですね。

そこから最後まではあっという間に時間が経ち、まるで本当にライブに行ったかのような満足感!一方、クーラーの効いた空間でのふかふかのソファに座っての視聴なので、疲れは一切ありません。ライブに実際参加したような気分が気軽に味わえる、よい体験だなと思いました。

また、私はかなり集中してしまったので忘れていたのですが、上映中もドリンクが飲めるのも嬉しいポイント(緊急事態宣言中でなければお酒も提供しているそう!)。通常の映画館ではトイレが近くなるのが気になると思いますが、ここは移動がしやすい自由な空間なので、アルコール片手に超リラックスして観るのも楽しそうだなと思いました。

アーティスト登場!MVの新作発表も楽しそう

餓鬼レンジャーのメンバー

この日の上映後は特別にゲストトークがありました。餓鬼レンジャーのメンバーであるGP氏(DJ/トラックメーカー)、DJオショウ(DJ/トラックメーカー)が登場し、このライブでの思い出を語ってくれました。このライブはDJオショウの初参加ライブだったということで、今よりテンションが高かったね、など、メンバー本人から聞く話は貴重!会場には同じアーティストのファンが集まっていることもあり、親密な雰囲気があふれる楽しい時間となりました。

今回、サイレントシアターでのライブ映像の上映会という初めての取り組みでしたが、今後の展開について、シアターギルド代表の五十嵐さんに聞きました。

「シアターギルドは、世界初のサイレントシアターということで、通常の映画館とはかなり違う空間になってます。その空間を生かし、映画の上映だけでなく、音楽、建築、アート……さまざまなジャンルの人を巻き込んだ自由な鑑賞空間として、いろんな活用をしていきたいと思っています。今回の音楽ライブを見るという新しい取り組みもその一環ですが、実際やってみて、例えば新しいMVやライブ映像の発表に使うのも面白いんじゃないかなと思いました。」

現在は、日々違う種類の映像を上映するなど実験中です、と語る五十嵐さん。映像の配信や体験が多様化する中、Video Kicksも同じように、映像作品の活用方法を模索していきます。