COLUMN 2022.5.11

<社内イベント>話題の音楽NFTについて、みんなで考えてみました

Wanoグループでは、世の中のイケてるサービスやプロダクトを学ぶ社内勉強会「イケてるアワー」が月1回ペースで開催されています。勉強会といっても堅苦しいものではなく、参加メンバーの興味に合わせて、便利なツールの使い方をお互いにシェアしたり、最近話題のトピックをテーマにみんなで情報を集めたり。時間も平日の夜ということで、お酒を飲みながら参加するメンバーや、耳だけ参加するメンバーもいて、ゆるい雰囲気なのも特徴です。

今回は、3月に「音楽NFT」について取り上げた会について、ちょっとだけレポートいたします。

NFT勉強会1

オープニング:NFT漫談

オープニングは、「イケてるアワー」パーソナリティーである滝沢(TuneCore Japanデザイナー)によるNFT漫談です。滝沢は、1年前に入社して以来、「イケてるアワー」や社内Podcast「Wano Engineer Voice」などを立ち上げたムードメーカーですが、過去にM1にも出たこともあるらしく、いつも楽しくテーマに入れるように話を導いてくれます。

年明けに放送されたBS番組「欲望の資本主義」や、92年のクリプトアナーキスト宣言、世界最初のツイートがNFTで3億円で落札された話など、初めてその言葉を聞く人がNFTに興味を持つようなエピソードを紹介しつつ、その背景に「プラットフォームの依存問題」や「クリエイターの低賃金問題」があるということに言及した後、次のスピーカーにバトンタッチです。

NFT勉強会2

パート1: 音楽NFTの概要

次はTuneCore JapanのPdMである山本が、音楽NFTの概要について事前に調べた内容を紹介します。山本は、新卒で7年前に入社後、日本の音楽業界が物理メディアからダンロード、ストリーミングへ移行する変化を経験していますが、NFTの登場はアーティストにとっても今までにない選択肢となりうるといいます。

インディペンデントアーティストの支援をビジョンに掲げるTuneCore Japanメンバーとしては、アーティストの収益源となり得るNFTについて詳しくなっておきたいと、ざっくり6つのタイプに分類して紹介してくれました。

  1. オーディオNFT
    楽曲自体をNFT化すること。エディションの証明が簡単というメリットがあります。このタイプのNFTは、所有している人しか入れないコミュニティがあり、オンライン上でアーティストとコアなファン同士のコミュニケーションを取ることができるそうです。ちなみに山本は、sound.xyz(オーディオNFTサービスの一つ)で楽曲NFTを買ってみたところ、発売から1週間で価値が倍になったのだそうです。
  2. 音楽著作権NFT
    印税などの分配権利をNFT化すること。オーディオNFTと異なり、音楽の再生は基本なく、つまり音は関係がありません。クラウドファンディングのような資金調達として機能しており、投資対象に近いのが特徴です。楽曲が大ヒットすれば、NFT化したファンがキャピタルゲインを得ることができます。サービスとしてはROYALなどがあります。
  3. ファンクラブNFT
    ファンコミュニティの会員証などをNFT化すること。ファンに向けてDiscordなどのクローズドコミュニティを設置できます。音楽に限らずインフルエンサーなど個人をエンゲージすることに向いており、その個人が大ブレイクした場合、ファンはキャピタルゲインを得ることができます。サービスとしてはRallyなどがあります。
  4. チケットNFT
    イベントなどの入場チケットをNFT化すること。チケットの転売問題を解決すると言われています。TicketMintなど。
  5. マーチャンダイジングNFT
    オリジナルアイテムをNFT化すること。衣装やファッションアイテムなどをメタバースでのデジタルウェアとして使えるようにするなどがその例です。このタイプのNFTでは、ナイキとrtfktがコラボスニーカーを今回したことでも話題となり、アーティストのマーチも可能性が広がります。
  6. レーベルDAO
    会社などの中央集権的な管理者のいる組織と異なり、スマートコントラクトなどを通じて自律的に管理される組織のことをDAOといいます。例えば可能性として、音楽レーベルをDAO化する、映画プロジェクトをDAO化するなどが考えられます。

山本は今回NFTを調べている中で”コミュニティ”がキーワードだと実感したと言います。特徴として24時間365日絶え間なく動き続けるWeb3の世界では、そのスピードの早さからGoogleなど検索エンジンの実用性が薄れ、またSNSよりもRedditなどの匿名性の高いオープンコミュニティやDiscordなどの匿顔性の高いクローズドコミュニティでしか得られない情報が増えてきており、それらが今後は重要になってくるのでは、と話していました。

また、フォロワーや再生数などの「量」が重要だったWeb2と違い、Web3では「質」が重視されるため、今まで評価されにくかったアーティストへの収益化の可能性が広がるのでは、とのことでした。

パート2:NFTサービスの体験シェア

次は、実際にNFTサービスを使ってみた体験の共有パート。実際のサービス画面などを見ながらの説明で、パート1まででなんとなく概念的に掴めてきたNFTのイメージが具体的になっていきます。

①ゲストのyokinistさんによるOpenseaデモ

世界中のデザインプロセスとデザインチームが集まるプラットフォーム Cocodaのyokinist(https://twitter.com/yokinist)さんは、この1ヶ月間集中してNFTを売買してみたのだそう。使っているのはNFTマーケットプレイスとしては最大手のOpenSeaです。

実際に売買してみて感じたのは、一つ買うと感謝されたり、そのコミュニティの方向性を決める投票に参加できたりなど、今まで交わってなかったクリエイターの人たちと仲間になれるという楽しさと言います。「クリエイターと一緒に盛り上げていく」という感覚は、インディーズのアーティストを見つけて応援する感覚に似ているそうです。

その他にも、買ったものを展示できる自分のセレクトショップのような空間が作れるというデモや、ガチャのようにボタンを押すだけで複数のパーツを組み合わせたオリジナルが作れるジェネレーティブNFTの話題に、参加者の興味が集まりました。

NFT勉強会4

②TuneCore Japanの新妻による音楽NFTサービスの紹介

次は、TuneCore Japanの新妻による、音楽NFTサービスの紹介です。実はかなりたくさんある音楽系のNFTサービス。今回はその中で主要なものをピックアップして、紹介してくれました。

Catalog:
1 on 1の音楽NFTマーケットプレース。購入金額の100%がアーティストに、再販時のFeeも設定できるのが特徴です。

sound.xyz:
リスニングパーティを開催でき、リスニングパーティ中にNFTを発行できるのが特徴。NFTを買った人はDiscordコミュニティに招待されます。

Audius:
SpotifyやSoundCloudに近く、Audius上で音楽を再生でき、プレイリスト・ランキングなども公開している。プレイリストやランキングに掲載されるなどのアクションで$AUDIOという独自通貨がもらえます。

ROYAL:
アーティストのNasが「Rare」という楽曲の権利をファンに販売したことで有名になりました。ストリーミングからの収益の50%をファンに分配しています。

SoundMint:
音楽のジェネレーティブNFT。ボタンを押して音楽NFTを作成できます。

Arpeggi Labs:
デジタルオーディオワークスペーションです。

TCJのビジョンである「All for Independence」に共感しているという新妻。NFTによってミュージシャンが継続的に活動できる社会環境を形成できるのかという観点について、Web2は認知拡大・カジュアルファンを獲得するのに向いていたが、Web3はスーパーファンを獲得しているのに向いており、並走するようになるかもしれないと話していました。

NFT勉強会5

クロージング:Q&Aと、次のセッションテーマ決め

その後のQAタイムで、「投機的でない使い方ができそうか?」といったディスカッションがあり、最後は、次回の勉強会のテーマをFigmaで投票。これぞ、本当にDAO?めでたくメタバースに決まり、今回の「イケてるアワー」はクローズとなりました。お疲れ様でした!

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