INTERVIEW 2023.7.12

税金やビザから言葉のニュアンスまで。日本で働く中での疑問を解消する外国籍メンバーのレトロスペクティブ

2008年の創業以来、“日本から世界へ独創的なプロダクトを創る”というビジョンを掲げ、文化やその産業を「想像」し「創造」するクリエイターを支えてきたWanoグループ。世界を視野に入れていることもあり、外国籍の社員が多く所属していることも、グループの特徴の一つです。今回は、外国籍社員による自発的なレトロ(レトロスペクティブ)があるという噂を聞いて、それを主宰するJohnnyと、最近WanoグループにジョインしたTingyaに話を聞きました。

<今回インタビューに答えてくれた2人>

Johnny(ジョニーさん)
Video Kicksを立ち上げから支えるエンジニア。2016年に台湾から来日しWanoグループに入社。

Tingya(ティンヤさん):
グループ内のEDOCODEに所属する、同じく台湾出身のデザイナー。インターンを経て、最近正式に入社。

外国籍社員の「困った」を解消するためにスタート

ツヅキ:
外国籍社員のレトロがあると聞いたんですが、どういったことをしているんですか?

Johnny:
日本で働く外国人同士情報を交換しようということで、元々オフラインで月に一度集まって話していたんですが、コロナで一旦中止となっていたものを昨年からオンラインで再開しました。基本はレトロの形式で、今月の「いいこと」「ふつうのこと」「悪いこと」をそれぞれキーワードで出し合い、順番に話していく形式で実施しています。Wanoグループには10人前後の外国籍社員がいて、予定が合うのが6−7人くらいという感じです。たまにオフラインで集まってランチ会をすることもあります。

ツヅキ:
レトロは日本語ですか?

Johnny:
台湾、中国、フランス、ブルネイ、アメリカと様々な国籍のメンバーがいて、日本語が得意な人と英語が得意な人がいるので、両方を使うことが多いです。あとはメンバーがお互いで通訳することもあります。

ツヅキ:
どんなトピックについて話すことが多いですか?

Johnny:
外国籍社員が一番困ることが多いのは税金やビザ関係なので、そのトピックは多いですね。前回は在留カードの更新や資格変更についての話が出ました。もちろんインターネットには情報がありますし調べることはできるんですが、個人の経験とか感想はすごく参考になるので、そういう共有があると助かります。

Tingya:
私が初めて参加したのは、正式に入る前だったんですが、日本で引越すときの経験談や役に立つ情報をいっぱい教えてもらいました。荷物の送り方や、ここは気をつけた方がいいよとか、家具をどうやって揃えるかとか、すごくためになりました。日本で正式に働くのは初めてだったんですが、かなり安心することができました。

Tingya(ティンヤさん)

税金、ビザ、言葉のニュアンス…「外国で働くこと」について感じる大変さ

ツヅキ:
お二人が「外国で働くこと」について感じる大変さはどんなことですか?

Tingya:
やっぱり先ほどJohnnyさんが話していた通り、税金や保険はそもそも難しいことが多いし、調べてもそれぞれの人によって状況が違うので、どうすればいいかわからないことは多いです。そういう意味でも、同じ会社の同じような環境の人に話を聞けるのは助かりますね。

Johnny:
それ以外だと、文化の違いに大変さを感じることがありますね。言葉の意味はわかっても文脈がわからなかったり、ニュアンスがずれたり・・。例えば、台湾人は質問したり、聞き直したりするときに「ハ?」という発音をするんですが、特にそれに大きな意味はないんです。でも日本語だと怒っているように感じさせてしまうんですよね。そのことを知ったときは、びっくりしました。

Tingya:
台湾人にとっては、日本語の「え?」と同じ感覚ですもんね。

Johnny:
そうそう、本当に深い意味はないんです。当時のレトロでそれを話したら、みんな笑って「自分もそういう経験ある!」と盛り上がりました。そういうエピソードは外国籍社員それぞれが持っているので、そういう話を共有するのも楽しいですね。

Wanoグループは、イメージしてた日本とはちょっと違う?

ツヅキ:
Wanoグループについてはどう感じていますか?

Johnny:
Wanoはイメージしてたより日本っぽくないですね。代表の野田さんが外国に住んでいたからかもしれませんが、ルールや上下関係ががしっかりあるというよりは、フラットで自由です。例えば、社長の席にアルバイトの子が座っていても誰も気にしない(笑)。それは台湾だと絶対無理だし、日本もそうだと思っていました。

野田さんだけではなく、他の役員の人も、席でもカフェスペースでも日常的に話すし、偉い人だから話しかけにくいというような雰囲気はないです。

Tingya:
EDOCODEも同じだと思います。今EDOCODEでは、メンバーは英語や日本語のレッスンを受けることができるんです。その中で、ちょうどテキストで「日本の文化、特に会社の文化についてを学ぶ」というパートをやっているんですが、それが全然EDOCODEと違っていて(笑)。

ツヅキ:
面白いですね(笑)。例えばどういうところですか?

Tingya:
例えばEDOCODEでは全員下の名前で呼ぶようにしているので、代表の田村さんも“たかさん“と呼んでいます。それをトレーナーさんに話したら、びっくりしていました。

ツヅキ:
たしかに、普通の日本の会社ではあまりないかもしれないですね。

これからやってみたい活動とは?

ツヅキ:
レトロ以外にやっている活動はありますか?

Johnny:
新入社員が入ったときや送別会をするときは、ランチ会をします。いろんな文化の人がいるので、どのお店にするか結構悩むんですよね・・それでSlackで投票してもらったりもします。Slackに、外国籍社員のチャンネルがあって、このイベント面白そうとか、そういう共有に使っていました。でも最近は僕が投稿することが多くて、やっぱりSlackだと完全な遊びの情報は送りにくいのかなと思って、LINEグループも作りました。

ツヅキ:
これからの活動としてやってみたいことはありますか?

Tingya:
前回のレトロでは、日本人も巻き込んだ文化交流会をしようという話が出ていましたよね?

Johnny:
そうですね、いままでは外国籍メンバーという括りでやっていましたが、他のチームの日本人とも交流したいという話が出て、日本人も入れた交流をしたらどうかと盛り上がりました。というのも、グループが大きくなったり、コロナの影響があったりで、Wanoグループの中でも最近はそれぞれの会社で交流する機会が少なくなっているんですよね。

外国籍メンバーのレトロが他のグループのメンバーと話す機会の一つになっているので、それを日本人も巻き込む形にできたらいいなと思っています。スペースやタイミングはあるので実施ハードルは高そうですが、交流パーティーができたらいいな。

Wano外国籍社員レトロ

「自分が生まれた国以外で働く」ということには業務外でもいろんな苦労ががあるのだと改めて感じたとともに、それを楽しそうに話してくれた二人を羨ましく感じたインタビューでした。ありがとうございました!

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